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Limit battle/第85話

第85話~「何処へ消えた!?」~


EIJI SPEEDでは修の為のシビックの準備を始めた。

栄治「おい、拓郎。そこのスパナ取ってくれ。」

拓郎「あいあい。」

彼はちょっと急ぎながらスパナを手に取り栄治に渡す。

栄治「サンキュウ。」

2人は作業を淡々と続けた・・・


さらに時は過ぎ1週間後の昼

ピピピピピ・・

修の携帯に電話が掛かってきた。

彼は食事中だったので口にご飯を頬張りながら電話に出た。

修「ふぁい・・もひもし・・あ、栄治さんですか。」

栄治『おう、飯の途中だったか。わりぃな。ちょっと飯食い終わった俺の店まで来てくれよ。拓哉と拓郎もいっぜ。』

修「はい、では飯食ったらすぐ行きますね。」

彼はそういい電話を切り、昼飯にがっついた。

陽介「・・おいおい。がっつくなって。折角の料理が味わえないだろ。それに喉詰まらせ・・・」

言い掛けたとき既に修は喉に詰まらせていた。

その修は陽介の肩を慌てて叩いた。

陽介「しゅ、修!おいおい!言わんこっちゃねぇ!香苗!酒!あ、じゃなかった、水!」

香苗「はいはい。慌てないで。」

彼女は修の背中を撫でながらゆっくり飲ませた。


修「・・っふゥ・・死ぬかと思った・・」

陽介「お、お、おい・・平気か・・!?」

修「兄さん慌てすぎ。何で当事者の俺じゃなくて見てた兄さんがそんななってるんだよ。」

陽介「いや・・だって・・窒息死って苦しいぜ・・?」

修「・・わかってるよ。」

彼は少し引いた眼で見て席を立ち、ご馳走様!っと元気に言って家を飛び出した。

陽介「・・アイツも大きくなったなぁ・・」

香苗「何時までも子供じゃないんだから。よっちゃんと違ってね!」

陽介「んだよ・・ホントだから文句言えないけどさ・・。」

修はガレージに行き、ランエボに勢い良く乗った。そしてガレージを出て行きすぐの交差点で信号の為止まった。

その交差点で後ろに青いFDが停まった。

修(あ・・ありゃぁお隣のミュージシャンじゃないか・・?)

予想は的中。彼がバケットシートから身を乗り出して後ろを覗くと、笑顔で修に手を振る将士の顔があった。

修(あ、やっぱ将士さんか。とりあえず手を振っておこう。)

彼も将士に対して笑顔で手を振った。

そして、すぐに信号は青に変わった。


数十分後、EIJI SPEEDへと到着。

店へ着くと修は車から降り、近くにあったシートの掛かった車に目を取られた。

修(なんだ・・コレは。ハッチバックっぽいけど。)

すると、修の肩を叩く手が・・

修「ぎゃぁ!?」

栄治「ぎゃぁぁぁ!?何!?」

ノリのいい男である。

修「いやぁ、少しビックリしてしまって・・はは」

栄治「いやいや、少し何処じゃねぇって!こっちが驚いたわ!」

2人は笑いあい、栄治が話を切り替えた。

栄治「所で、コイツを見てくれ。お前の誇り、ランエボのメンテナンスを兼ねたチューニングの時の代車だ。」

彼が車に掛かったシートを勢い良く引き剥がした。

修「あ・・ワンダー!」

彼の前には黒のワンダーシビックが現れた。

修「すげぇ・・これ見た目からして扱える気がしない・・!」

栄治「まぁ、先に中に入れ。色々説明するし。」

と、彼に連れられて修は店の中に入る。


―と、事件が起こった。

外からV-TECのエンジン音が聞こえた。

栄治と修は全く気が付かなかった。

すると、応接室の扉が開き拓郎が現れた。

拓郎「栄治さん。修にシビック渡したんすね。結構荒々しく走ってったけど・・てアレ?修なんでここに?」

場の空気が一気に鎮まり返った。

と、また扉が開き拓哉が入ってくる。

拓哉「今、修君に渡したワンダーと擦れ違いましたよ。結構荒れた走りをしてましたけど、修君に何か・・あら?

修君がここに・・?」

栄治の顔が一気に蒼白した。

彼はその場を思いっきりダッシュして外に止めてあったはずのワンダーの元へ。

栄治「はぁ・・はぁ・・な、無い・・!」

修「あの・・」

彼は栄治にどう言葉をかければいいかわからなかった。

栄治「何処へいったぁぁぁぁぁ!!」

彼は空に向かって叫んだ。

拓哉「落ち着いてください。とりあえずコレは警察に被害届けを・・」

栄治「何処の輩だぁ!見つけたらタダじゃおかねぇ!逆さ吊りで池に漬けてやる!」

拓哉(何時の時代の暴走族ですか・・)


栄治の怒りが爆発した。



第86話へ続く。


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